部品洗浄に関する基礎知識
1. そもそも部品洗浄とは?
切削加工、プレス、成形など様々な加工によって部品は製造されますが、切削液、油、溶剤、切粉、研磨粉、粉末など固形状、液状問わず様々な不純物が製品に付着しています。
そのまま納品してしまうと組立時に支障が出たり、製品にした後の性能不良が発生したりと、近年製品性能が高まるにつれて、部品自体の清浄度要求も高まってきております。
自動車業界では当たり前のように、コンタミ(異物)の規格が図面記載され、半導体・電子部品では完全脱脂など、業界により要求する内容は様々ですが、洗浄のニーズは年々高まっております。
最近では働き方改革の中の職場環境の改善で、床の汚れを減らすため、洗浄機を導入される企業も少なくありません。
部品洗浄とは、あらゆる方法を用いて、部品に付着する不純物を除去します。
そしてほとんどの洗浄機には乾燥機能も付いているので、乾燥まで行えます。
2.洗浄目的
大きく分けて、コンタミ(異物)除去と、脱脂に分かれます。
異物には切粉や研磨粉、粉末などが主になります。
煤(すす)などのスケール除去も含まれますが、この場合除去は容易ではありません。
脱脂には、水溶性or油性切削油、研磨液、防錆油、プレス油など様々な油分、溶剤などの除去が主になります。
完全に除去が必要な場合もあれば、ある程度(手でベタベタしない程度)の除去でOKなど使用用途によって分かれるケースが多いです。
3.洗浄方法
洗浄目的によって、大きく洗浄方法が異なります。それぞれ特徴があります。
- シャワー式
- 高圧(ジェット)式
- 超音波(振動)式
- 真空・減圧式
- 浸水式
- 蒸気式
- マイクロバブル式
それぞれの洗浄方法に合わせた洗浄機が各メーカーから販売されております。
4.洗浄剤
水(水道水)のみで洗浄する場合、乾燥が悪く、洗浄度も悪い為、あまり推奨されておりません。
ただし中間洗浄後、純水洗浄することはあります。(半導体・電子部品など)
洗浄方法、洗浄目的によって、最適な洗浄剤を使用する方が最も効果的です。
- 水(水道水)
- 機能水(アルカリイオン水、純水など)
- 水系洗浄剤(界面活性剤など)
- 準水系洗浄剤
- 炭化水素系洗浄剤
- フッ素系洗浄剤
- 塩素系洗浄剤(臭素系溶剤)
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