洗浄液の日常管理について
水系洗浄剤、準水系洗浄剤、非水系洗浄剤、いずれの洗浄剤においても洗浄液の汚れ、希釈濃度などを管理する必要があります。
濃度(糖度)計測については、主に屈折計が用いられます。
※余談ですが、濃度計、糖度計、屈折計は全て同じものです。
屈折計の種類
屈折計には大きく2通りあります。
透過式(手持ちタイプに多い)
プリズムは試料液よりもはるかに大きな屈折率をもっており、このプリズムと試料液との界面で起こる屈折現象を利用して目盛板による測定が行なわれます。
例えば、濃度が薄いサンプルのときは、プリズムとの屈折率差が大きいので屈折率は大きくなる。
反射式(デジタル・インラインタイプに多い)
プリズムから入射した光は界面(試料液との境界面)で反射して再びプリズムを透過してセンサーで受光し、その受光信号を屈折率に変換することで測定が行われます。
透過させて屈折具合を見るのか、光源を反射させて光の明暗で見るか、の違いです。
正確性は反射式の方が良いと一般的には言われております。
プリズムにはサファイヤガラス等が使用されています。
管理方法
屈折率の単位は屈折計のメモリにはBrix(ブリックス)という単位が使われています。
Brixとは砂糖を溶かした水溶液100グラムを屈折計で測定したときの濃度を指す為、その他液体の濃度を知りたい場合はブリックス目盛りに対する換算表をそれぞれ作成する必要があります。
例:水系洗浄液を濃度10~15%の範囲で管理する場合
1. 換算グラフを作成するために、濃度10.0%、15.0%の水系洗浄液の希釈液を作成します。
※正確に希釈してください。
Brix値は温度も関係しますので、洗浄温度と同じ温度で作成が必要です。(Brix値は20℃を基本としている為、温度補正値があります)※屈折計によっては自動で温度補正してくれる機能もあります。
g/100g(重量%)の場合、濃度10.0%とは天秤(はかり)を用いて、洗浄剤原液10.0gと水90.0gを混合します。
ml/100ml(容量%)の場合、濃度10.0%とはメスシリンダーを用いて、洗浄剤原液10.0mlと水90.0mlを混合します。
このように、サンプルは100gまたは100ml程度作成します。
2.屈折計のゼロ合わせを行ってください。
3.作成した濃度10.0%、15%の希釈液を測定し、Brix値を読み取ってください。
4.仮に、下記のような測定データだとします。
希釈液濃度 | 屈折計の読み (Brix) |
---|---|
水 (0.0%) | 0.00% |
10.00% | 7.10% |
15.00% | 10.50% |
5.このデータを基に、Brix値における管理値を決定して下さい。
換算表によって屈折計の測定値(Brix)を基に、未知の濃度%を知ることができます。
例えば、屈折計の測定値がBrix 6.0%であれば、上記の換算グラフから、濃度8.5%と読み取ることができます。
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